はじめに・・・

Domestic bellows ・・・ドメスティックアコーディオン。

そんな言葉は無いかもしれないけど、私の造語。

アコーディオンというと日本では鍵盤式が主流。まあ、最近はクロマチックのボタンアコーディオンも少し知られてきたが、これらは世界中に同じ形態で分布し、どんなジャンルの曲でも弾ける万能選手。

それに対して、ある特定の地域で土地の音楽に合わせて独自の進化を遂げた蛇腹楽器のことを、区別してそんなふうに呼んでみようかと思っているのである。

略してドメアコである。

(対して一般的なアコは、ゼネラルアコーディオンとでも呼ぼうか。ゼネアコ。)

 

私は長年鍵盤アコーディオンを習っている。しかし、ピアノ等、鍵盤楽器を習っていなかったので、運指も難しいし、楽典の知識も無いことでぶつかるハードルが高い。

そうしたこともコツコツやることと、素直に勉強することで乗り越えてきたのではある、が!

ネットで動画を見ていると、そんな知識もテクニックも無さそうな、あんな人やこんな人が、生き生きと蛇腹楽器を弾いて楽しんでいるではないか!!

 

「あんなチャラいニーチャンネーチャンに弾けるなら、私にも弾けるのでは?」

「あんなオジサンオバサンに弾けるなら(以下同)」

 

そんな軽い気持ちが始まりで、うちに二台のドメアコがやってきた。

 

アメリカ南西部~中南米のTex-Mex音楽で広く弾かれている3列ダイアトニック。

ロシアの民族楽器ガルモーニ。

 

ピアノアコだと右手の鍵盤と左手のボタンに翻弄され、蛇腹までなかなか意識がいかないのだが、これらのシンプルな楽器たちは右も左もボタンが少ないだけに、あらためて「アコーディオンって蛇腹が主役だったんだ。」ってことを気付かせてくれる。それと、楽器を弾くということはかなりフィジカルなことなのだということも、弾くたびに再認識させられる。

特定のジャンルに特化して作られているので、慣れてしまえば同じジャンルの曲ならおもしろいくらいどんどん弾けるし、珍しい楽器だから難しそうに思えるけど、実は音楽の素養の少ない人が音楽を楽しむための最短距離なのだ!と確信を深くしている今日この頃。

あと、ドメアコは往々にして価格が安い。

一般的なアコーディオンが「貧乏人のピアノ」なんて言われながら、実際には軽自動車並みの値段がするのに対して、新品で5万くらいからあるのが魅力である。

 

ゼネアコの可能性は否定しないし、素晴らしいと思っている。こんな曲が弾きたいと思えばどこまででも付き合ってくれる懐の深さと楽器としての度量。

しかしまた、ドメアコたちの「これだったら誰にも負けないけどね、あとは知らないよ!」みたいな偏屈さもまた、愛おしいのだ。

 

だけど、まだまだ情報が少ない。

私も試行錯誤しながらこれらの楽器と付き合っている最中だが、情報収集する過程でイモヅル式に、世界のアコーディオン事情なども図らずもいろいろ知ることになったので、そんなものも整理しつつ、このページにまとめていきたいと思っております。