PeterDranga(Пётр Дранга)

Bayanmix以来、ロシアの蛇腹事情に興味を持った。

ああいうタイプにお金と人が動くってことは、そういう土壌があるのだろう、と。

アコーディオン、あるいはバヤンの「ポップミュージック文脈」の存在。

もっと下世話に言うならば「歌謡曲的」「流行歌手的」な需要。「アコーディオンタレント」とでも言うべき人々の存在と、そのニーズ。

ロシア的「アコーディオンタレント」は「演芸」の文脈ともまた違ってて、とにかくまあ「タレント」としか言いようがない。

テレビに出たり、映画に出たり、グラビア撮影したり、インタビューされたり、グルーピーに追いかけられたりする。テレビ番組も、誰かの後ろで伴奏をしたりセッションをしたりと、ミュージシャン的な出演ばかりではなくて、いわゆる「NHK歌謡ステージ」や「紅白歌合戦」みたいなコンセプトの番組に出て、演歌歌手が歌うが如く朗々とアコーディオンを弾き、本人も前面にガンガン出てくる。クイズ番組やバラエティーにも出たりするし、お宅訪問番組にも出たりする。

サブカル的な匂いはなく、とことん「王道の芸能人的」。

そこが日本とまったく違うので、ものすごく興味深いのだった。

いいとか悪いとかではなく、ただ現実にそうなのでしょーがない。

そこが、おもしろい。おもしろすぎる。

 

そんなこんなで、きっと他にも似たようなのがいるだろうと思ってさがしたら・・・いましたよ、またすごいのが。

 

ピョートル・ドランガ。

1984年3月生まれだそうなので、Bayanmixの2人とは一世代違うのか。

(セルゲイが1973年生まれなので。)

ロシア人のイメージを裏切るスリムな体躯に、モンキー・パンチのマンガにでてきそうな濃い顔が印象的。とくに笑った時の口元がモンキー・パンチ風。

トレードマークの楽器はBugariのARMAND。白と黒を持っていて、服装によって使い分けている。

公式サイトはこちら。

 

http://www.dranga.ru/

 

父が音楽大学の教授だった影響もあって幼少時からアコーディオンを始め、1996年頃から様々な国際コンクールで快進撃を続けるも、2000年ころにはレストランやナイトクラブで演奏して糊口をしのいでいたこともあるそうで、なかなかの苦労人。

ソロ奏者として芽が出たのは2004年ころらしい。

 

この人の来歴で面白いのが、2007年ころ。

アコーディオニストなのになぜか、スケートを特訓させられ、アイスダンスをさせられるという番組に出演していたようなのだ。それも一回こっきりのスペシャル番組ではなく、レギュラー番組だ。

何本も動画がアップされているところを見ると、もしかして毎週、新しいアイスダンスを披露する趣向の番組だったのかもしれない。

ちょうどアメリカのケーブルテレビでリアリティショーが流行ってた時期だったので、そういうノリの番組だったのか。

しかし、アコーディオンだけ弾いてればカッコイイものを・・・無茶しますなあ。

ともあれ、このチャレンジ精神とサービス精神はすごい。

でもチャレンジングすぎて、最近アコーディオン無しで、歌だけのPV作ったりしてるんで、「そ、それはちょっと待て!」と言いたい・・・。

 

最後にピョートル・ドランガのお宅訪問番組があったのでご紹介。

すっごいオシャレなデザイナーズマンションに住んでおられる!

アコーディオンで成功すると、こんな暮らしができるんだよということなのか!

それはともかく、この動画の見どころは猫です。飼い猫がかわいい!

それと、猫をかまいすぎて番組中に噛まれるピョートルも見どころ。